研究課題/領域番号 |
19591800
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
田中 克哉 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (30263841)
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研究分担者 |
大下 修造 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60144945)
河野 崇 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40380076)
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キーワード | 高血糖 / イソフルラン / 吸入麻酔薬 / KATPチャネル / postconditioning / 心筋保護効果 / 血管平滑筋細胞 / パッチクランプ |
研究概要 |
はじめに、ラットの大動脈の血管平滑筋細胞を採取し、正常D-グルコース(NG)、高血糖D-グルコース(HG)、高L-グルコース(LG)の3種類の培養液で24時間培養した。その後、パッチクランプ法で血管平滑筋細胞のATP感受性K^+チャネル(KATP)電流を測定した。0.5mMイソフルランを投与するとNGとLGではKATPが開口したがHGでは開口が有意に抑制した。Protein kinase C(PKC)の拮抗薬であるcalphostin CおよびPKC inhibitor20-28を前処置しておくとHGによって抑制されるイソフルラン誘導性KATPの活性が減少し、結果的にKATPは開口する。さらにPKCを活性化するPMAはHGと同じような作用を示した。活性酸素の測定も行ってみて、HGでは活性酸素が増加していた。HGと活性酸素除去酵素を同時にインキュベートしてもHGによるイソフルラン誘導性KATP活性抑制は棄却されなかった。これらの結果からHGでは血管平滑筋細胞のイソフルランによるKTAP開口を棄却してしまい、その作用機序にHGによる過度なPKC活性が関与していることが示唆できる。これらの内容はAnesth Analg誌に発表した。 次ぎにウサギの心筋虚血再還流モデルで再還流直前から直後にかけてイソフルランを投与すると心筋梗塞サイズが減少する現象(Anesthetic postconditioning)が高血糖でどうなるか?さらにPI3K-Akt経路を活性化させるインスリンを投与するとどうなるか検討した。高血糖ではイソフルランによる心筋梗塞サイズの減少は棄却されたが、インスリンは高血糖の有無に関係なく心筋を保護した。高血糖でもイソフルランとインスリンを投与すると心筋梗塞サイズは減少した。
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