研究概要 |
方法 動物実験委員会の承諾を得た後、雄性ウイスターラット(250-350g)17匹を対象とした。気管を幅3mmのリングに切断し、酸素95%二酸化炭素5%で通気したK-H液中で1.0gの静止張力を与えたのち、(1)連続EFS(25V,2ms)を2、5、10、15、20、25Hzと5分間隔で加えた時の持続性収縮の変化(2)最大収縮の約50%にあたる5Hzの連続EFS時の収縮持続時間(3)5Hz連続EFS誘発性収縮に対するテトロドトキシン(TTX)、4-DAMP(ムスカリ性M_3受容体拮抗薬)の影響(4)ファスジル存在下での5Hz連続EFS誘発性収縮に対するセボフルレン(1.5MAC)の影響について調べた。結果はANOVAを用いP<0.05を有意のある差とした。 結果 (1)持続性収縮は刺激頻度依存性に増加した。(2)収縮は180分以上続き、180分の時点では約30%の低下であった。(3)収縮は0.1μMのTTX、0.03μMの4-DAMPによってほぼ完全に抑制された。(4)1μMファスジルは5Hz連続EFS誘発性収縮に対するセボフルレンの弛緩作用を強めた。 結論 低頻度の連続性電気刺激は迷走神経を介して著明な気道平滑筋の収縮をおこし、この収縮は長時間持続することから、持続する喘息発作には迷走神経の機能亢進が関与しているかもしれない。またこの収縮はセボフルレンによって抑制され、さらにファスジルはボフルレンの抑制作用を強めることが判明した。
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