研究課題/領域番号 |
19591809
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研究機関 | 国立大学法人琉球大学 |
研究代表者 |
垣花 学 琉球大学, 医学部, 准教授 (20274897)
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研究分担者 |
中村 清哉 国立大学法人琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (00363680)
斎川 仁子 国立大学法人琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (20404569)
比嘉 達也 国立大学法人琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (10404568)
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キーワード | 脊髄虚血 / オピオイド / 対麻痺 / 一酸化窒素 / cGMP |
研究概要 |
脊髄虚血後にオピオイド受容体を刺激すると下肢運動機能が悪化し、脊髄運動神経細胞が変性することを証明した。今回は、ラット脊髄虚血モデルを用い脊髄虚血後くも膜下モルヒネ投与による痙性対麻痺への一酸化窒素(NO)-グアニレートサイクラーゼ(sGC)-サイクリックGMP(cGMP)系の関与を検討する目的で、NOの下流にあるsGC-cGMP阻害薬である///の効果について検討した。<方法>SDラットに対し、脊髄虚血5日前にくも膜下カテーテル(PE-10)を挿入した。イソフルラン麻酔下に、大腿動脈から2Fr.フォガティーカテーテルを挿入し、その先端のバルーンを拡張させることで胸部下行大動脈を閉塞させ、脊髄虚血を作成した。6分間脊髄虚血後にモルヒネ30mg(M)、モルヒネと////(MI)を投与し、その後の経時的運動機能ならびに病理組織学的検討を行った。<結果>M群では投与後2時間から対麻痺となりその後運動機能は回復しなかった。一方、MI群では対麻痺となることはなく投与後72時間目で歩行可能であった。組織学的検討でも、M群では脊髄前角神経細胞の脱落がみられたが、MI群は神経細胞の脱落は認められなかった。<考察>今回の結果から、ラット脊髄虚血後くも膜下モルヒネによる痙性対麻痺にはNOの下流であるsGC-cGMPの関与が示唆された。cGMPは脊髄において痙性増強効果が指摘されており、本研究からモルヒネ-NO-sGC-cGMPという反応系の重要性が確認された。
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