20年度に実施した研究の成果還元型ヘモグロビンー亜硝酸反応によって生成された一酸化窒素(以下NO)の脳梗塞領域縮小効果の検討を目的としで以下の研究を実施した。 1)局所脳虚血再灌流ラットモデルでのNOの定量研究 局所脳虚血再灌流の準備をしたラットに亜硝酸を前投与し還元型ヘモグロビンー亜硝酸反応を利用してNOを生成させ(経静脈投与および経腹膜的投与)NOの濃度をNOセンサーを用いて測定した。その結果、静脈内投与群腹膜投与群ともでは約50%のNOの産生増加が認められた。 2)薬理学的インターベンション 局所脳虚血再灌流ラットの同じモデルを使用し、上記の研究で認められた脳梗塞領域軽減效果が還元型ヘモグロビンー亜硝酸によNO生成系を介していることを確かめるために、NOS阻害薬であるL-NNAを投与したが亜硝酸の効果発現しただめNOSによるNO生系の関与が否定された。またcGMP-GC系を介しているかを確かめるために新たな阻害薬であるODQを使用した結果、亜硝酸の効果が影響を受けたためGC系の関与が認められた。またさらに、活性酸素系の関与を調べるためにNOスカベンジャーCPTIOを投与したが亜硝酸の効果が影響を受けた。 以上の実験結果より還元型ヘモグロビンー亜硝酸反応によって生成されたNOが脳虚血再灌流後の梗塞領域軽減効果に確かにかかわっていることが機序とともに示され脳保護につがる非常に重要で意義ある結果が得られた。 ヘモクロビンのファクターを人為的に変化させたモデルにてさらに検証を進める計画である。
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