研究課題/領域番号 |
19591819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
村山 典惠 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (90219949)
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研究分担者 |
山崎 浩史 昭和薬科大, 薬学部, 教授 (30191274)
清水 万紀子 昭和薬科大, 薬学部, 助教 (90307075)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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キーワード | 麻酔学 / プロポフォール / CYP2B6 / 遺伝子多型 / 覚醒遅延 |
研究概要 |
ヒト肝ミクロゾームでのプロポフォール水酸化酵素活性に個人差が認められ、さらにその要因として各個体のP450分子種含量の違いが考えられたことから、4-水酸化およびω-水酸化酵素活性とCYP2B6およびCYP3A4含量との相関性について検討を行なった。その結果プロポフォール4-水酸化活性と、CYP2B6含量に最も高い相関性が認められ(r=0.84)ついでCYP3A4含量との間に相関性が認められた。一方、プロポフォールω-水酸化活性とCYP2B6含量との間に高い相関性認められた。個体間での含量の変動には遺伝的多型の影響が考えられたことから、これまで報告されているCYP2B6に関する遺伝子多型のうちで、活性低下を伴うCYP2B6*6とCYP2B6*9に関して検討を行なったところ、CYP2B6*6をホモ変異で有している場合、通常のおよそ1/2の活性低値を示し,明らかに多型との関連性が示唆された。一方、CYP2B6*9ホモ変異で有する場合でも酵素活性の著しい低下は認められなかった。このことから、CYP2B6の516変異がプロポフォールの代謝を考える上で重要な因子であると考えられた。アジア系人種ではこの変異の発現頻度は比較的高いことから、臨床でのプロポフォール処置時の覚醒遅延の危険性を評価するうえで、本成果は有効な情報であると示唆された。そこで、実際にプロポフォール麻酔施行患者の血中プロポフォール濃度推移を測定するための条件および迅速な測定系を確立した。これまで行なわれていた煩雑な抽出法を改良した蛍光検出器を用いた測定系は臨床現場での実施に充分適応できると考えられた。
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