われわれは、第14番染色体長腕、14q32に存在する刷り込み型遺伝子DLK1が腎細胞癌の癌抑制遺伝子としての機能を有することを既に報告し、また腎細胞癌におけるDLK1の不活化にはDLK1自身のプロモーター領域や5'領域ではなくDLK1の相補的刷り込み遺伝子であるGTL2上流のメチル化が重要であることが、明らかしてきた。これまでの研究より明らかとなった14q32領域に存在する刷り込み遺伝子GTL2遺伝子と同じであり、GTL2と同様epigeneticsで制御を受けている可能性が示唆されたmir-127について重点的に解析をおこなった。すなわちsiRNAによるノックダウンシステムを腎癌細胞株において作成し得られたWild株とノックダウン株についてマイクロアレイを行い、さらにその結果をRT-PCRおよびノーザンブロットでの確認を行った。現在のところmir-127によって制御される遺伝子として腎細胞癌株を通じて一致したものを確認中である。
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