研究分担者 |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20324642)
中村 英二郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (90293878)
兼松 明弘 京都大学, 医学研究科, 助教 (90437202)
吉村 耕治 京都大学, 医学研究科, 助教 (40397542)
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研究概要 |
アンドロゲン依存性前立腺癌細胞株(LNCaP)とアンドロゲン非依存性を獲得した亜株(AILNCaP)を用いた解析によってPKCz/mTOR/S6K経路の活性がアンドロゲン依存性、非依存性に関わらず前立腺癌細胞株において細胞増殖に必要であることを見出した(Inoue T, et. al., Mol endocrinol 2006)。また、52例の限局性前立腺癌の前立腺全摘除術標本を用いて作成した組織マイクロアレイにおける解析では、Aktの活性化が前立腺癌の悪性度と有意な相関を認め、臨床癌がホルモン療法抵抗性となるかどうかの予測に応用できる可能性が示唆された(Shimizu Y, et. al., BJU int 2007)。新規樹立したアンドロゲン依存性前立腺癌Xenograft(KUCaP/W741C)を用いた解析では、アンドロゲンレセプターのcodon741に点変異(W→C)があると、抗アンドロゲン剤ビカルタミドがagonistとして作用することを示し、アンドロゲンレセプターの変異が抗アンドロゲン剤に対する耐性機序であることを示した(Inoue T, et. al., Expert Rev Endocrinol Metab 2007)。更に、アンドロゲンレセプターが野生型である新規前立腺癌Xenograft(KUCaP/WT)においては、アンドロゲンレセプターの変異以外の機序を解明するために、cNA microarray解析を用いた検討を行ったところ、アンドロゲン非依存性獲得に際し様々な遺伝子の変動を認めた(寺田直樹他、第66回日本癌学会学術総会報告2007)。今後それらの遺伝子の機能解析と、新規治療標的分子の探索を行っていく予定である。
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