研究課題/領域番号 |
19591854
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福森 知治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10314874)
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研究分担者 |
金山 博臣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10214446)
高橋 正幸 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50325255)
中逵 弘能 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50437638)
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キーワード | 泌尿器科癌 / ガレクチンー3 / 集学的治療 / 転移 / アポトーシス / 血管新生 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
ガレクチン-3は多くの癌細胞の細胞内外で強発現が認められ、細胞の増殖、血管新生、アポトーシス調節等に関与し、癌の浸潤・転移に重要なキータンパクの1つであることが示唆されている。われわれは、腎細胞癌および膀胱癌においてガレクチン-3が有意に高発現していることを見いだしており(J Med Invest.55,127-132,2008)、腎細胞癌および膀胱癌の転移の治療としてガレクチン-3が重要なターゲット遺伝子になることが示唆された。さらに前立腺癌細胞株(PC-3)、腎癌細胞株(KPK-1)および膀胱癌細胞株(J82)においてガレクチン-3の発現を約5分の1以下にノックアウトした細胞株を作成し、これらの細胞を利用して腎細胞癌、膀胱癌に対する放射線療法、シスプラチンによる化学療法とガレクチン-3の発現抑制による治療効果、アポトーシスへの影響を検討した。その結果、ガレクチン-3の発現を制御した腎細胞癌細胞株および膀胱癌細胞株では、細胞の増殖能が12%および14%低下し、放射線治療の感受性がそれぞれ18%、26%増加し、シスプラチンによる化学療法の感受性が15%、35%増加した。特に、ガレクチン-3ノックアウト細胞では、シスプラチン治療中に細胞質中のcytochrome cの発現が増加しcaspase-3が活性化されアポトーシスが誘導された。さらに、われわれが既に作成しているガレクチン-3のリコンビナント蛋白質をマウスに免疫することでガレクチン-3の発現を抑えるブロッキング抗体を抽出し、腎癌細胞株(KPK-1)および前立腺癌細胞株(PC-3)で培養上澄中のガレクチン-3の発現を約40%抑える抗体を得た。これらのガレクチン-3ブロッキング抗体は、転移巣をターゲットにした遺伝子治療に応用が可能で、臨床的意義は極めて高いと思われる。今後、さらに泌尿器科癌における臨床的意義を検討する予定である。
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