研究概要 |
本研究ではThrombin receptorであるProtease-activated receptor(PAR)の腎での遺伝子発現と機能解析を行い、受容体阻害からの尿路結石症の発生抑制を明らかとすることを目的とした。 本年度は腎尿細管培養細胞HK-2細胞でのPAR遺伝子発現とタンパク発現に加えreal time RT-PCRを用いた遺伝子発現量の定量蓚酸刺激(蓚酸濃度0.1〜0.8mM)によるのシグナル伝達の検証を行った。 1)ヒト腎尿細管培養細胞HK-2細胞を用いたPCRではPAR1,2,3,4すべてのsubtypeの遺伝子発現を確認した。Western blotではPAR1,2のタンパク発現を確認した。 加えて共焦点レーザー顕微鏡を用いた免疫蛍光染色ではHK-2細胞の細胞膜およびゴルジ小体に陽性所見を認めた。 PRISM7700によるreal time RT-PCRによる解析では蓚酸刺激(蓚酸濃度0.1〜0.8mM)によるPAR1,2,3,4遺伝子発現のup regulationを検証した。 2)ヒト腎組織での免疫組織染色では近位および遠位尿細管に陽性所見を認め培養細胞での結果を反映する所見を確認した。 3)培養細胞上清液中のインターロイキン6(IL6)濃度をELISA法で測定した。蓚酸刺激によりIL6濃度濃度の有意な上昇を認め、PARを介するシグナル伝達がヒト近位尿細管細胞で発生している事を解明した。
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