研究課題
本研究はプロテオミクス解析技術を用いて腎移植後の急性拒絶反応、慢性拒絶反応の早期診断治療効果判定を可能とする尿中マーカー蛋白質候補を探索することを目的とする。平成19年度に北里大学泌尿器科で行われた生体腎移植移植患者に対しインフォームド・コンセントを行い、了承の得られた尿と血液検体を採取し、凍結保存している。検体は全例、術前と術後1週間分採取し、外来通院中に拒絶反応を起こした時点の検体も採取している。ここで採取された尿は、本年度検討し、確立した尿の取り扱いのプロトコールをもとに取り扱い、保存した。本年度はこれらの尿検体(腎不全患者尿)を試料とし、アガロース二次元電気泳動法とペプチド成分の抽出法(K法)への応用と条件検討を行った。この条件をもとに平成20年度は腎移植後拒絶反応を起こした患者血清と尿を対象とした診断マーカー候補タンパク質ならびにペプチドの探索を本格的に開始する。タンパク成分に関しては抗体カラムにより血清中の約80%を締めるアルブミンと免疫グロブリンを除去した血清中の微量タンパク成分を再現性の良い逆相HPLCで25分画し、この分画物中のタンパク質をSDS-PAGEならびに二次元電気泳動で定量分析を行う。また、ペプチド成分に関しては北里大学理学部で開発したペプチド抽出法を用いて高効率に再現性良くペプチド成分を濃縮し、その成分をペプチド用の逆相HPLCカラムで60分画したものを質量分析計(MALDI-TOF MS)で分析する予定である。
すべて 2007
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