研究課題
基盤研究(C)
本研究においては着床期子宮内膜において発現するコレステロール硫酸(cholesterolsulfate ; CS)の遺伝子発現調節機能に焦点をしぼって検討する。特に近年、CSが核内受容体retinoic acid-related orphan receptor(ROR)のひとつであるRORαのリガンドであることが報告されたことから、平成19年度には、RORαの下流遺伝子であるRev-erbαの遺伝子発現に対するCSの影響を検討した。その結果、CSの添加により子宮内膜間質細胞ではRec-erbαの発現が促進された。また、分子間結合を解析するBIACORによりCSとRORαの分子間結合が確認された。ただし、RORαのリガンド結合領域を削除した変異遺伝子導入によってもRev-erbαの遺伝子発現が促進されること、CSの添加によってRORαの発現も促進されることなどから、CSによるRev-erbαの遺伝子の発現促進は、CSがリガンドとしてというよりむしろ転写因子であるRORαの発現を促進することによる作用であることが示唆された。そこで、20 年度にはRORα応答遺伝子の別の候補であるSULF1 の遺伝子発現について検討し、CSがその発現を促進し、wnt/βカテニン経路を介してβカテニンの核内への集積を誘導することを明らかにした。また、CS は子宮内膜間質細胞のアポトーシスを誘導し、この誘導はSULF1を介する作用である可能性が示唆された。
すべて 2009 2008
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Fertil Steril
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