研究概要 |
1. FCMパラメータと精液所見との相関;運動率(n=44,r=0.651,P<0.001)、正常形態率(n=44,r=0.316,p=0.037)に相関を認めた。 2. FCMパラメータと受精率(体外受精)、妊娠率、流産率との相関は認めなかった。 3. 授精モードとFCMパラメータの差異;ICSI症例で有意に上昇していた;IVFvsICSI=14.16±8.08vs26.07±16.26(P<0.001) 4. FCMパラメータと精子核DNA断片化の相関;ICSI実施症例のみ検討した。両者の間に相関は観察されなかった(n=44,r=0.224,p=0.080)。 5. 体外胚発生とFCMパラメータの相関;胚盤胞形成率とCOMP値の間に受精卵5個以上培養では比較的強い正の相関を認めた(n=22,r=0.477,p=0.025)。 6. 体外胚発生と精子核DNA断片化の相関;胚盤胞形成率とSCDパラメータの間に受精卵5個以上培養では強い負の相関か観察された(n=12,r=0.796,p<0.001)。 FCMバラメータは精子核成熟度を反映し、値が低いほど成熟性が高いことを示す。体外での胚発生はCOMP値が高いほど良好であった。これは精子核蛋白内S-S結合の多寡がICSI後の胚発生に影響することを示唆した。精子核DNA断片化は胚発生を有意に阻害した。
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