研究概要 |
20年度に行なった研究のうち、前置癒着胎盤の治療法の確立にむけて行った臨床的検討では、王切開時に子宮摘出術となるが、Cesarean hysterectomy時の術中出血量軽減させる方法を検討した結果、内腸骨動脈結紮は、出血量の減少ないことを明らかとした。この研究成果は、A.Iwata,A.Itakura,et al.J Obstet Gynecol Res2009(in press)癒着胎盤発生要因に関する検討では、絨毛細胞が子宮平滑筋細胞のアポトーシスを誘導し、子宮筋層内へ浸潤する仮融研究を進めた。in vivoの検討では、癒着胎盤の臨床検体で、絨毛細胞に隣接した子宮平滑筋にアポトーシスが増加すを示したが、in vitroで平滑筋細胞に絨毛細胞を共培養することによってアポトーシスが増加することを、脱落膜を気較検討したところ、有意な増加を証明することができなかった。 そこで、癒着胎盤の子宮標本を免疫組織染色した際に偶然明らかとなった、子宮漿膜面の新生血管にサイトケラチンが陽性となった点についてさらに検討を加え、この血管はらせん動脈に絨毛細胞が浸潤することにより胎盤付着面の子宮させるのと同様に、新生血管の血流を増加させる。癒着胎盤のCesarean hysterectomy時の出血量が増加する原因は、子宮漿膜面に新生血管が異常に増生することが原因と考えられるが、この血管がらせん動脈と同様に、絨毛細胞が浸潤平滑筋が存在しない血管に変化させることにより、血流を増加させ、Cesarean hysterectomyでの術中出血量を増加させることを明らかとした。(現在投稿準備中である。)
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