研究課題/領域番号 |
19591911
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
浜谷 敏生 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60265882)
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研究分担者 |
吉村 泰典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10129736)
阿久津 英憲 国立成育医療センター研究所, 生殖医療研究部, 室長 (50347225)
山田 満稔 国立成育医療センター研究所, 生殖医療研究部, 研究員 (40383864)
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キーワード | 卵 / 胚性幹細胞 / 着床前期胚 / 遺伝子発現プロファイリング / RNAi |
研究概要 |
本研究では現在までに、卵形成過程の遺伝子発現制御機構の解明を目指して、遺伝子発現プロファイリング・データの多元的解析およびEST発現頻度を解析することにより、卵細胞に特異的であり、2つのマウス新規遺伝子ファミリーをin silicoに抽出した。一つは、Nlrp (NACHT, leucine-rich repeat and PYD containing)ファミリーで、NTPaseドメインと蛋白・蛋白結合ドメインを持ち、もう一つはKruppel-associated boxを持つzinc finger転写因子(KRAB Zfp)のファミリーである。 マウス多組織パネルを用いたノザンプロットや卵子から胚盤胞までの各ステージあるいは成獣多臓器における逆転写PCRにより詳細な発現解析を行った結果、卵巣特異的な発現を示すことが確認された。さらに、卵巣切片に置いてin situ hybridizationを行ったところ、2次卵胞以降の卵細胞でのみ発現が認められた。 1つのKRAB Zfp遺伝子についてノックアウトマウスを作成中である。 また、in silico解析により、着床前期胚に特異的であり、特徴的な転写因子High mobility group (HMG) boxドメインを持つ新規遺伝子Hmgpをin silicoに抽出した。Hmgpはヒト、ウシにおいてもホモログの存在が示唆されており、種を越えて着床前期胚発生機構に重要な役割を果たしている可能性が高いと考えられる。 この遺伝子に関しても、マウス多組織パネルを用いたノザンブロットや卵子から胚盤胞までの各ステージあるいは成獣多臓器における逆転写PCRにより詳細な発現解析を行った結果、着床前期特異的な発現を示すことが確認された。 Hmgpについては、受精卵にsiRNAを注入しノックダウンによる発現抑制を行ったところ、着床前期胚発生が障害された。
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