研究概要 |
「骨粗鬆症モデル動物において骨組織内細胞外マトリックスで生じている変化はコラーゲンに比ベプロテオグリカンの方が著しい」というのが今までの我々の検討でわかっていることである。このことを土台にした本研究の目的は, 大きく変化するプロテオグリカンの骨脆弱化因子としての意義を検討ずることである。また, プロテオグリカンをコラーゲン等の既存の骨代謝関連物質と比較することで類似点や異なる点を検討し, プロテオグリカンが新しいタイプの骨代謝マーカーとなる可能性を探索することも目的とする。 週齢12週で卵巣を摘出したラットはその後の24週で骨粗鬆症モデルラットとなる。骨粗鬆症が完成するまでの過程にある, 卵巣摘出後8, 16週齢のラットの骨も回収し, 骨組織内のプロテオグリカン, ヒアルロン酸, コラーゲンおよび骨密度, 骨強度を測定した。骨密度, 骨強度は卵巣摘出後16週から24週にかけて次きく減少してゆくのが認められたが, プロテオグリカン, ヒアルロン酸は卵巣摘出後8週より低下してくることが認められた。コラーゲンの変化もほぼ同様であった。 骨密度や骨強度の減少に先立ってプロテオグリカンなどが低下してゆくことよりプロテオグリカンが骨脆弱化のイニシエーターである可能性はあるがが, コラーゲン等との比較でその差異を鮮明にするためには卵巣摘出後8週くらいの時期で, もう少し細かい間隔でプロテオグリカン, コラーゲンの変化塗確認する必要があると思われる。これに関しては実験系を計画中である。
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