インフォームド・コンセントにより、患者の同意を得て採取された子宮体癌・正常子宮内膜の新鮮凍結標本を用い、組織から抽出したRNAを使用し、改良型Serial Analysis of Gene Expression(SAGE)法によって、それぞれ11000個以上のmRNAをすべて読み上げた。これらの結果をまとめ各々のmRNAによる遺伝子発現プロファイルを作製した。この遺伝子発現プロファイルをコンピューターにより解析し、それぞれ子宮体癌・正常子宮内膜のプロファイルの差異を比較した。その上で、2つの組織間で発現量に大きな差のある遺伝子と所列を拾い上げ、インターネットデータベース上で検索をして表出する遺伝子確認した。不摘当なものを除いた約40個の候補遺伝子のプライマーセットをそれぞれ作製し、子宮体癌と正常子宮内膜組織各5検体をreal-time quantitative RT-PCR法を用い、各候補遺伝子の発現量の差異を確認し、候補遺伝子を選定し、各候補遺伝子用にさらにプローブを作製した。子宮体癌、および正常子宮内膜組織(月経周期)、子宮内膜増殖症において、現在作製したプローブをもちいて、RT-PCR法により、mRNAの発現量を比較した。月経周期や検体により候補遺伝子の発現量が安定しないが、候補遺伝子は5個に絞り込むことができた。この中に、子宮体癌に特異附に発現する遺伝子が含まれ、これらによる分子診断が可能になる。
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