研究課題
シスプラチンを耐性株Caov-3細胞と感受性株A2780細胞に添加したところ、1時間で一過性のAktの活性化が見られた。そこで、Akt経路がシスプラチンの治療標的分子に成り得ることが判明した。Gefitinibを添加すると、シスプラチンで活性化されたAktのリン酸化が抑制されたことが判明した。つまり、Gefitinibによりシスプラチンの耐性性が解除されたことが証明された。次にgefitinibをシスプラチン耐性株Caov-3細胞と感受性株A2780細胞に添加し、シスプラチン単剤と併用によるcell viabilityを比較した。Gefitinibを添加すると各濃度のシスプラチンにおいてcell viabilityが低下し、シスプラチンの耐性性が解除され、感受性が増強された。さらにこの効果をin vivoにおいて検討した。シスプラチン耐性株Caov-3細胞をヌードマウスの腹腔内に投与し、シスプラチンおよびGefitinib併用群との抗腫瘍効果を見たところ、シスプラチン単剤群に比して、腹水産生量および播種病巣が抑制され抗腫瘍効果が増強されることがわかった。以上から、gefitinibは、シスプラチンの耐性性を解除することにより抗腫瘍効果を得ることが判明した。
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Oncogene 27
ページ: 2737-2745
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