研究課題/領域番号 |
19591958
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 健 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50251286)
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研究分担者 |
岩崎 真一 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (10359606)
千原 康裕 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (20401060)
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キーワード | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 神経科学 / 生理学 / 脳・神経 |
研究概要 |
本年度は昨年度まで研究指導を行っていた研究分担者佐原の異動により、一時中断を余儀なくされた誤算があった。佐原は鶴見大学歯学部生理学教室准教授となり、引き続き連携研究者としてサポートする形となった。本年度における進展は以下の通りである。 実験系の確立 1) 灌流制御システムは装置の改良により安定を見た(佐原)。 2) ラット前庭神経節細胞の細胞体にその末梢受容器(耳石器・半規管膨大部) を付着した標本において、最適な培養方法としては、Leibovitz's L-15を使用した短時間(<5hr)培養が最適であることが分かった (伊藤・千原)。 生理学的実験 1) 末梢前庭器〜前庭神経細胞体を一体とする標本において、神経のパッチクランプ記録を行うことが可能となった。脱分極刺激(電流注入)による神経発火パターンを記録したところ、主にphasic typeの発火であり、今のところ単離\培養したものと大きな違いが無い結果となっている。(伊藤・佐原) 2) 同様の標本において前庭神経節細胞をパッチクランプして性質を調べた上でピペット内に予め入れておいたビオチンにより逆向性染色を行う実験は、パッチクランプ成功の確立が十分でなく、また実験中に細胞が死んだりパッチが外れてしまうトラブルが多いことから未だ十分な結果が得られていない。(伊藤・佐原) 免疫組織学的・分子生物学的実験 1) 末梢前庭器〜前庭神経細胞体を一体とする標本において、神経細胞の性質等を検索した後細胞質を電極内に吸引し、Single Cell RT-PCRを行う実験については、昨年度の失敗が単離細胞と異なり内容の吸引が難しいことに起因すると分かった。未だ試行錯誤の段階に止まっている。(千原・佐原) 2) 前庭神経節の興奮性の調節に関与すると分かったイオンチャネルやリガンド受容体の免疫染色については、試薬を購入して実験を開始したばかりの段階である。(千原・伊藤)
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