研究課題/領域番号 |
19591964
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中島 務 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30180277)
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研究分担者 |
曾根 三千彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30273238)
寺西 正明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20335037)
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キーワード | MRI / 内リンパ水腫 / ペンドリン / 鼓室内注入 |
研究概要 |
ペンドリンノックアウトマウスは、Pds遺伝子が欠損し、難聴をきたし、内リンパ水腫が存在すると考えられている。我々は、ペンドリンノックアウトマウスにおいてガドリニウムを鼓室内に投与し、ガドリニウムがどのように内耳に入るか、内リンパ水腫がどのように観察されるかを検討しようとした。今年度は、まず、コントロールマウスを用いて鼓室内にガドリニウムを投与し、神戸にある動物用4.7テスラのMRIを用いて内耳を観察した。鼓室に入れたガドリニウム造影剤は、臨床で用いられているものと同様に生理的食塩水で8分の1に薄めたものである。ガドリニウム鼓室内注入からMRI撮影までの時間は、およそ6時間であった。その結果、ガドリニウムは内耳外リンパに入り、内リンパとの間にコントラストを生じ、内外リンパ腔の描出が可能であることがわかった。ガドリニウムは、蝸牛窓から入り、蝸牛では基底回転から上方回転に向かっていくが、マウスではヒトに比べて、上方回転に向かっていく速度がはやかった。なお、注入針は、臨床で用いられているものを用いたが、マウスのサイズからマイクロシリンジを用いた方が良いこともわかった。 ペンドリンノックアウトマウスは、米国NIHの研究者のご好意でいただく段取りができていたが、組み換え実験動物の搬入許可書を名古屋大学からもらうのに時間がかかった。必要な諸条件を整え今年になってようやく許可がおり、今年度末に無事名古屋大学医学部の動物実験施設にはいった。来年度は、このペンドリンノックアウトマウスを用いて鼓室内ガドリニウム注入後、MRIを撮影する予定である。
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