研究課題/領域番号 |
19591964
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中島 務 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30180277)
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研究分担者 |
曾根 三千彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30273238)
寺西 正明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20335037)
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キーワード | 内リンパ水腫 / ペンドレッド症候群 / ヨード欠損食 / 甲状腺腫大 / 難聴 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
前庭水管拡大症は、比較的若い両側性難聴患者の中での頻度は高い。前庭水管拡大をきたす原因としてペンドレッド症候群遺伝子(Pds遺伝子)に異常のあるペンドレッド症候群が代表的である。本研究では、Pds遺伝子を欠損するペンドリンノックアウトマウスを用いて内耳の形態、難聴、甲状腺異常を研究した。 平成19年度、米国National Institute of Health (NIH)から名古屋大学医学部動物実験施設にペンドリンノックアウトマウスを導入した。ペンドリンノックアウトマウスは、難聴はあるが、甲状腺腫大はみられない。この点、ペンドレッド症候群患者の多くが甲状腺腫大をきたすことと異なっている。そこで本研究では、Pds遺伝子ワイルドタイプ、ヘテロタイプ、ホモタイプのマウスにおいてヨード欠損食の甲状腺、内耳、聴力への影響を検討した。内耳は、組織学的検討のほか、動物用MRIを用いて内リンパ水腫が映るかどうか検討した。ヨード欠損食を食べているマウスは、コントロールダイエットをとっているマウスに比べて甲状腺が腫大した。その程度が、Pds遺伝子ワイルドタイプ、ヘテロタイプ、ホモタイプのマウスでどのように異なるか、検討する必要がある。組織学的にホモタイプでは、内リンパ水腫があることを確認した。MRIでも、ホモマウスで内リンパ水腫を描出した。聴力についてAuditory Brainstem Response (ABR)を用いて、それぞれのグループでヨード欠損食の影響がどのように出るか今後、詳細に調べる必要がある。 本研究は、前庭水管拡大症において、遺伝子型、環境因子がどのように甲状腺、難聴に影響を与えるか調べることにより、前庭水管拡大症の予防法、治療法に有意義なデータを与えることができる。
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