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2008 年度 実績報告書

前庭性嘔吐反射中枢の機能地図の解明:動物モデルを用いた研究

研究課題

研究課題/領域番号 19591975
研究機関徳島大学

研究代表者

武田 憲昭  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30206982)

研究分担者 福井 裕行  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90112052)
キーワード動揺病 / 過重力 / 扁桃体 / Fos / H1受容体 / ムスカリン様受容体
研究概要

ラットに動揺病を引き起こすことのできる2Gの過重力刺激を3時間与え、最初期遺伝子であるc-fosの遺伝子産物であるFos蛋白に対する抗体を用いた免疫組織化学法を行なった。その結果、扁桃体中心核にFos陽性細胞が出現し、過重力刺激により扁桃体中心核が興奮したこと考えられる。あらかじめ両側の内耳を破壊したラットに2Gの過重力刺激を3時間与えても、扁桃体中心核にFos陽性細胞が出現しなかった。さらに、ラットに3時間の拘束ストレスを与えると、扁桃体内側核にFos陽性細胞が出現した。この結果から、過重力刺激による扁桃体中心核の興奮は動揺病の発症に特異的に関与していると考えられる。さらに、扁桃体中心核は味覚嫌悪学習でも特異的に興奮することから、感覚情報の不快を判断している可能性がある。
ヒスタミンH1受容体は抗動揺病薬として用いられていることから、過重力刺激による扁桃体中心核の興奮がH1受容体を介している可能性を検討する目的で、以下の2つの実験を行なった。まず、扁桃体中心核のFos陽性細胞がH1受容体を発現している可能性を検討する目的で、免疫二重染色を行なったが、共発現していなかった。次に、あらかじめラットにH1受容体拮抗薬であるmepyramineを投与したところ、扁桃体中心核のFos陽性細胞の出現には影響を与えなかった。しかし、あらかじめ別のH1受容体拮抗薬であるdiphenhydramineを投与したところ、扁桃体中心核のFos陽性細胞の出現は抑制された。Diphenhydramineはmepyramineと異なり抗コリン作用を併せ持つH1受容体拮抗薬であることから、過重力刺激による扁桃体中心核の興奮がアセチルコリン・ムスカリン様受容体を介している可能性が考えられ、diphenhydramineは抗コリン作用により動揺病を抑制する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of hypergravity on histamine H1 receptor mRNA expression in hypothalamus and brainstem of rats : implication for development of motion sickness.2009

    • 著者名/発表者名
      G. Sato
    • 雑誌名

      Acta Otolaryngol. (印刷中)

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.geocities.jp/otolaryngology_tokushima/

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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