睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度として成人では無呼吸低呼吸指数(AHI)が指標となるが、小児は胸郭が柔らかく、代償するため、AHIでは予測できないことがしばしばである。そこで、脳波を含めた終夜睡眠ポリグラフ(PSG)とともにヒプノPTTを用いて呼吸努力の有無と睡眠イの脳波上覚醒について手術前後の比較を行った。 ヒプノPTTは動脈血が左心室から送り出される心拍変動が指先の脈に到達するまでにかかる脈波伝達時間で換気努力の評価と自律神経刺激による覚醒反応の検出が可能な簡易な機械であり、小児の検査に適すると考えられた。 24名では、閉塞型、中枢型無呼吸などの判別が可能であった。PSGとの比較では覚醒反応検出の鋭敏さはみられなかったが、換気努力の評価には有用であった。 また、小児の睡眠障害では、行動異常 (多動や攻撃性)や学習障害、ADHD(注意欠陥・多動性障害)との関連が指摘されているが、その機序は明らかではない。手術治療を行った小児20名に行動反応、生活様式の変化について検討を行いその変化を検討したが、明らかな行動関連の変化の検出は難しかった。 今後自閉症、広範性発達障害児の睡眠について検討して、行動検査と発達評価を加えていく予定である。
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