研究課題/領域番号 |
19591992
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
鴻 信義 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90233204)
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研究分担者 |
服部 麻木 東京慈惠会医科大学, 医学部, 准教授 (90312024)
吉川 衛 東京慈惠会医科大学, 医学部, 講師 (50277092)
松脇 由典 東京慈惠会医科大学, 医学部, 講師 (60287290)
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キーワード | 鼻 / 副鼻腔 / 立体内視鏡 / ナビゲーションシステム / 手術 |
研究概要 |
ステレオナビゲーションシステムを開発し、立体内視鏡画像との重畳表示を実現した。本システムを用い、実際に内視鏡下鼻内手術を4例行なった。症例はすべて蝶形骨洞内の炎症性病変である。術前に、症例のCT画像より得られた3次元データを解析し、蝶形骨洞、前頭蓋底、視神経、内頸動脈などをセグメンテーションして立体臓器モデルを作成した。次に、臓器モデルを緑色や黄色などにcolor codingした。 手術時、患者頭部と立体内視鏡に位置計測用のマーカーを装着し立体内視鏡を鼻内に挿入すると、従来の硬性内視鏡と比較して遠近感があり、手術操作が副鼻腔の深部へすすんでいく過程が的確に認識できた。術中に適宜、立体視画像に重畳表示を重ねながら手術操作をすすめた。重畳表示画像により、蝶形骨洞を自然孔から開放する前に、蝶形骨洞の形状(とくに上下方向と左右方向への広がり具合)と洞内の病変また視神経や内頸動脈の位置と合わせて透過像として内視鏡画面に映し出された。このイメージに従い蝶形骨洞を自然孔より嗅裂に開放した。本システムの高い有用性を確認した。 一方で、現状の機器は重畳表示画像の誤差がまだ不安定である。そこで、レジストレーション方法とマーカーの固定方法を改良し画像表示の精度を向上させた。さらに、重畳画像の遠近感がやや不十分という問題点もある。そこで、サイドモニターを準備し、2次元的な前額断CT画像にグラフィックモデルを重畳表示させ、ステレオナビゲーション画像とリンクさせた。これにより術者は、術野のオリエンテーションをステレオナビゲーション画像で直観的に、またサイドモニターで奥行き・遠近を客観的に認識できようになった。
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