研究課題/領域番号 |
19591998
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
佐藤 公則 久留米大学, 医学部, 准教授 (70196228)
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研究分担者 |
伊豆丸 慎介 久留米大学, 医学部, 助教 (80352178)
中島 格 久留米大学, 医学部, 教授 (70117183)
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キーワード | 声帯 / 喉頭 / 細胞 / 細胞外マトリックス / 黄斑 / ビタミンA貯蔵細胞 |
研究概要 |
ヒト声帯黄斑の機能と黄斑内のビタミンA貯蔵星型細胞の機能を研究した。 1)ヒト声帯黄斑に密に分布するビタミンA貯蔵星型細胞の機能は、声帯粘膜固有層に分布する通常の線維芽細胞と機能的に違うのかを放射線感受性の観点から研究した。今回の研究ではビタミンA貯蔵星型細胞は、声帯粘膜固有層に分布する通常の線維芽細胞に比較してより放射線感受性が高く、より未分化な細胞であることが示唆された。研究結果は論文「Irradiated Macula Flava in the Human Vocal Fold Mucosa」として英文学術雑誌に採択され出版した。 2)未熟な新生児の声帯黄斑内のビタミンA貯蔵星型細胞がどのような要因により活性化され、人固有の声帯粘膜の層構造を構築し、人声帯粘膜の成長・発達に関与しているかを研究するために、ヒト小児声帯、特に黄斑と同部に密に分布するビタミンA貯蔵星型細胞を形態学的に研究した。今回の研究では成長・発達段階にあるヒト小児の声帯内でも黄斑内に密に分布するビタミンA貯蔵星型細胞は恒常的に声帯粘膜の粘弾性に必須の細胞外マトリックスを産生していた。発声による声帯振動と声帯振動による声帯黄斑と黄斑内のビタミンA貯蔵星型細胞に加わる張力が、声帯黄斑内のビタミンA貯蔵星型細胞を活性化し、ヒト固有の声帯粘膜に必要な細胞外マトリックスを産生しヒト声帯の層構造を構築し、ヒト声帯粘膜の成長・発達に関与しているという仮説が支持された。研究結果は第129回アメリカ喉頭科学会、第20回日本喉頭科学会で口演した。また論文「Stellate Cells in the Human Child Vocal Fold Macula Flava」として英文学術雑誌に採択され出版した。
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