研究課題/領域番号 |
19592001
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
松永 達雄 国立病院機構, 東京医療センター(臨床研究センター)・聴覚・平衡覚部聴覚障害研究室, 室長 (90245580)
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研究分担者 |
幸池 浩子 国立病院機構, 東京医療センター(臨床研究センター)・聴覚・平衡覚部・聴覚障害研究室, 研究員 (70415892)
務台 英樹 国立病院機構, 東京医療センター(臨床研究センター)・聴覚・平衡覚部・聴覚障害研究室, 研究員 (60415891)
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キーワード | 遣伝学 / 遺伝子 / 医療 / ミトコンドリア / 遺伝性難聴 / DNA |
研究概要 |
日本人の原因不明の両側性感音難聴患者から難遺伝子解析のために運結可能匿名化の上で現存までに提供存受けたミトコンドリアDNAのA1555G変異とA3243G変異およびGJB2遣伝子変異を除外した先天性難聴100家系および後天性難聴120家系め検体において、ミトコシドリア難聴遺伝子(12SrRNA、16SrRNA、tRNA Phe、tRNA Leu(UUR)、tRNA Ser(UCN)、tRNALvs、 tRNA His、tRNASer(AGY)、tRNA GIu、cvtochrome oxidase subunit 2)の変異をスクリーニングした。 この結果、先天性難聴では12SrRNA遺伝子の3種類のホモプラスミー変異が8家系で認められ、1種類あ人テロプラスミー変異が1家系で認められた。さらにtRNALys遺伝子のヘテロプラスミー変異が6家系で認められた。 後天性難聴では、12SrRNA遺伝子の2種類のホモプースミー変異が4家系で、1種類のヘテロプラズミー変異が2家系で認められた。さらにtRNA Ser(UCN)遺伝子のヘテロプラズミー変異が1家系で、tRNA Lys遺伝子のヘテロプラスミー変異が4家系で認められた。 これらの遺伝子を正常コントロールとして日本入健聴者200人から提供を受けたDNAで検討した結果、12SrRNA伝子の変異が今回難聴者で同定された4種類の変異がいずれも少数ではあるが認められた。一方、tRNA Ser(UCN)遺伝子とtRNA Lys遺伝子の変異は認められなかった。 これらの結果は、今回認められた12SrRNA遺伝子の変異の難聴における病的意義の確定には、今後のさらなる検討、特に環境因子や背景遺伝子についての検討が必要であることを示している。一方、tRNA Ser(UCN)遺伝子とtRNA Lys遺伝子の変異は病的意義が高いと考えられるが、これらの遺伝子変異も、さらに詳細な遺伝子変異の同定と、家系内での発症パターン、ミトコンドリアゲノムの個体差についての検討が必要である。
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