研究課題/領域番号 |
19592003
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北市 伸義 北海道大学, 北海道・大学病院, 助教 (40431366)
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研究分担者 |
大野 重昭 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50002382)
吉田 和彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (90281807)
南場 研一 北海道大学, 大学病院, 助教 (70333599)
大神 一浩 北海道大学, 大学院・医学研究科, 客員研究員 (80443977)
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キーワード | 遺伝子 / 免疫学 / 臨床 |
研究概要 |
本研究はぶどう膜炎における人類普遍の疾患感受性遺伝子や予後に影響を与える遺伝子を検索することである。したがって、ぶどう膜炎の正確な診断と詳細な臨床像の把握が何より大切である。研究計画書に則り、本年度は以下の結果を得た。 1 世界14力国25のぶどう膜炎専門外来を有する眼科施設から1,465例分のべーチェット病の臨床データを収集した。診断基準は少なくとも3種類が併存していた。地中海から日本に至るシルクロード沿いに多発国が偏在し、現在なおべーチェット病患者の20%以上が社会的失明に至っている現状が明らかになった。また、ヨーロッパでの発症者はイタリア、ギリシアなどではそれぞれの国民が、しかしドイツでは主にトルコ系の移民に多発していた。インド、イラン、日本で視力予後不良者が多かった。一般に先進国の方が発展途上国より視力予後は良いが、日本ではフォローアップ期間が諸外国より有意に長かったことから視力予後不良率が高かったと考えられた。本調査はデータ量が膨大であり、来年度も解析を継続する予定である。 2 日本人Vogt-小柳-原田病患者136例と健常者176例の遺伝子を収集・解析した。研究計画に基づき、原田病患者のIFN-γ遺伝子多型解析を行った。完全型原田病患者では健常者と比較して、IFN-γ遺伝子第一イントロン上のSNP rs243061;A/Tと機能マイクロサテライト(CA)繰り返し回数(rs3138557)解析で、アリルサイズ124、(CA)繰り返し回数16回を有する率が有意に高かった。しかし不全型原田病では有意差がみられなかった。今回完全型と不全型の臨床像の差異は全例皮膚症状の有無によっていたことから、今回明らかになったIFN-γ遺伝子多型は原田病の皮膚症状の出現・重症度に関連する可能性が考えられた。
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