研究課題/領域番号 |
19592005
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三田村 佳典 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30287536)
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研究分担者 |
窪田 真理子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (50375713)
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キーワード | 外科 / 細胞・組織 / 生体分子 / 糖尿病 / 臨床 / 増殖糖尿病網膜症 / 血管新生 / 前骨髄球性白血病腫瘍抑制因子 |
研究概要 |
増殖糖尿病網膜症の病因には血管内皮増殖因子(VEGF)が関与している。VEGF は HIF 転写因子によって転写が促進されること、さらに HIF 発現は mTORによって制御されていることが知られている。最近、前骨髄球性白血病腫瘍抑制因子 (PML) が mTOR 活性を阻害して転写因子 HIF の発現低下、血管新生の抑制を引き起こすことが報告された。このことから、増殖糖尿病網膜症の増殖膜など血管新生が促進されている組織では HIF の増加とともに PML の発現低下が予想される。今回、増殖糖尿病網膜症や特発性黄斑上膜などの血管新生を伴わない疾患の増殖膜を採取し、HIF、PML の発現を mRNA レベル、蛋白レベルで検索した。 増殖糖尿病網膜症は 19 検体中 13 検体(68%)と高率に HIF-1 mRNAが検出されたのに対して、特発性黄斑上膜では 12 検体中 2 検体(17%)にしか検出されず、両群の検出率には有意差が認められた(P=0.0050)。また、human と mouse 両種の PML mRNA を検出することが可能な PML プライマーを用いてマウス whole retina で RT-PCRを行ったところ、 PML の発現が確認でき、PMLが眼内においてなんらかの役割を担っている可能性が推測された。一方、ヒト増殖糖尿病網膜症症例の増殖膜 3 検体の免疫染色を行ったところ、特発性黄斑上膜の 3 検体と比べて HIF の発現が明らかに亢進し PML の発現が低下する傾向がみられた。以上のことから増殖糖尿病網膜症においては HIF の発現亢進と PML の発現低下が起こっていると考えられる。 これまで PML の眼内での発現は報告がなく、我々の研究結果は、将来的にPMLの増殖糖尿病網膜症の血管新生を抑制する治療薬としての可能性を模索する第一歩となると思われる。
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