研究概要 |
今年度の研究実績として、20人の正常ボランティアを対象として、HRT IIロストック角膜モジュールの画像取り込みモードのうち、ボリュームモードを使用し、40枚の連続した焦点面のシリーズ画像を約2μmの間隔で取り込む研究を行った。各対象について、K-structureを含むレベルにおいて、角膜中央、周辺部(輪部)でそれぞれ連続画像のスタック(積み重ね)を作成し、コンピュータプログラム(NIH imageとAMIRA software)を用いて3-D構造を再構築し、K-structureの間隔や太さ、長さ、体積、輝度など、各種スペックについて解析した。 また、昨年度から継続的に研究を行ってきた、正常ボランティアを対象とした、正常K-structureの2次元構造の解析を完了させた。全例において角膜ボウマン層と角膜実質との境界面に網目状の広がりを持つ、線維状の構造物(直径5-15μm)を認め、コンピュータプログラム(Image-Pro Express; Media Cybernetics, Silver Spring, MD, USA)を用いることにより、K-structureの2次元広範囲マッピングを完成させた。その結果、全例でAnterior Corneal Mosaic (ACM)とK-strctureの構造が一致した。このことから、K-structureはACMの解剖学的な発生原因であることが強く示唆され、これらの結果はCORNEA誌に発表された。
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