研究課題/領域番号 |
19592017
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50294096)
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研究分担者 |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80335364)
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20362717)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
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キーワード | 強度近視 / 網膜 / 内境界膜 / 硝子体手術 / 線維化 |
研究概要 |
Heidelberg retina angiograph 2 (HRA2)は共焦点方式を採用したレーザー走査検眼鏡で、眼底網膜内に残存したインドシアニングリーン(ICG)を非常に鋭敏にかつ非侵襲的に検出できる。我々は非強度近視眼で非常に長期にわたってICGが残存すること、その後軸索流にそって吸収されることを解明した(Sayanagi, Ikuno, et. al. Br J Ophthalmol. 2006;90:652-3)。今回は近視眼の黄斑病変において残存ICGを評価した。その結果術直後は非常に高濃度のICGが黄斑部に見られるが、時間の経過につれて点状の過螢光となり、術後6ケ月以上に亘ってICGは残存していた。ICGを塗布した網膜全体に残留するが、特に網脈絡膜萎縮巣への蓄積が強くみられた。網膜自発螢光(FAF)は網膜の機能的異常を鋭敏に検知する。FAFを強度近視に特異的な黄斑円孔網膜剥離と中心窩分離症で検討したところ、網膜剥離では非常に低螢光を示したが分離症では自発螢光はほぼ正常であった。この事実は綱膜剥離では著しい網膜機能低下をきたすが、分離では視細胞が網膜色素上皮に接着しているため機能がある程度維持されていることを示している。またFAFは従来の眼底検査や光干渉断層計で鑑別が困難な網膜剥離と分離の範囲を簡便かつ明瞭に示すことができ、臨床的にも非常に役立つ検査であることがわかった。このように共焦点システムは強度近視眼の黄斑病変の診断および機能評価に非常に有用である。
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