研究課題/領域番号 |
19592020
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20362717)
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研究分担者 |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80335364)
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50294096)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
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キーワード | 血管新生 / 増殖糖尿病網膜症 / 眼内増殖 / 抗VEGF体 / テノモジュリン / 酸素負荷マウスモデル |
研究概要 |
19年度の研究項目の一つである広汎な新生血管増殖膜を伴う重症増殖糖尿病網膜症患者において手術前の抗ヒトVEGF抗体(bevacizumab)投与の有無による線維性新生血管膜の血管新生抑制効果ならびに線維性変化の有無を投与前後の蛍光眼底造影(FA)結果で比較し、さらに採取した増殖膜の免疫組織学的に検討することにおいて、臨床治療研究への参加を承諾して頂けた患者に対し、抗ヒトVEGF抗体(bevacizumab)投与を無作為的に選別したところ、これまでに投与群(n=5)と非投与群(n=3)のエントリーが得られた。検討の結果、先ずは抗ヒトVEGF抗体投与群でのFAにおいて、非投与群に比べて、有意に新生血管からの蛍光漏出が減少し、新生血管の活動性の抑制を示す結果でした。また、免疫組織学的検討において、投与群から採取した増殖膜において、非投与群に比較して、vimentinの発現が増強し、VEGF受容体であるVEGF-R1,VEGF-R2の発現が低下している所見が得られ、新生血管増殖膜の線維化の進行を示唆する所見が得られた。また、実際の手術において、投与群における新生血管増殖膜の退縮によって、術中出血の合併症が著明に少なかった。 もう一方の研究項目である血管新生マウスモデルの作成において、高圧酸素負荷によるモデル作成ができ、フラットマウント切片で新生血管形成ならびに無灌流領域の形成を確認した。これに対してテノモジュリン(TeM)のリコンビナントタンパクを酸素負荷前に硝子体内(0.1〓g/0.1ml)投与したところ、対照群に比較して、有意に無灌流領域形成の減少を認めた(p<0.05)。さらに網膜切片による評価において、硝子体腔内への新生血管の発芽数が有意に少ない(p<0.0l)結果を得た。
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