研究課題/領域番号 |
19592021
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
塚原 康友 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (20236855)
|
研究分担者 |
本田 茂 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60283892)
石橋 一樹 神戸大学, 医学部, 非常勤講師 (20324923)
|
キーワード | 塩酸ブナゾシン / マウス血管新生モデル / α1レセプター / 神経節細胞 / 点眼治療 / 未熟児網膜症 |
研究概要 |
1.新生児マウスを母親マウスと共にプラスチックチャンバー内にて75%酸素下で5日間飼育する。その後、仔マウスをチャンバー外に取り出し(大気中酸素下=20%に置き)さらに5日間飼育を続けた。その結果、網膜血管床の閉塞と後極部の無血管野の発生を認めた。 2.上記の実験系において大気酸素下におかれた時点で微小循環改善薬点眼(塩酸ブナゾシン)を点眼開始した群では対照詳(生食を点眼)に比べて総じて実験終了時(実験開始から10日目)における無血管野の減少を認めた。ただ、塩酸ブナゾシン群、対照群ともに無血管野の周体差があったため、実験個体数を増やすと共に投与ムラをなくすために薬剤を腹腔内投与することにした。 3.点眼実験と同様、塩酸ブナゾシン腹腔内投与群では対照群に比べ無血管野の減少を認めたものの、やはり固体差が存在した。また、塩酸ブナゾシン点眼群は対照群よりも実験終了時の体重が有意に少なかった。 4.α1レセプターの局在を調べるために上記マウス網膜の凍結切片を作成し、免疫紅織染色を行ったところ、意外なことに網膜の主要血管にはα1レセプターの発現を認めず、神経節細胞と思われる細胞への発現を認めた。このことは塩酸ブナゾシンが我々の期待していた血管拡張を通して作用したのではなく、何らかの抗α1作用を介して無血管野の減少に貢献したことを意味する。 5.今後、α1レセプターを含めた網膜血管の発生メカニズムの解明が必要と考えられた。
|