研究課題/領域番号 |
19592022
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小阪 淳 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40243216)
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研究分担者 |
若林 毅俊 関西医科大学, 医学部, 講師 (90302421)
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キーワード | 細胞死 / in situ hybridization / 網膜神経節細胞 / BimEL / 視神経切断 / フェレット |
研究概要 |
初年度は、網膜神経節細胞のα型、β型機能分化がより明瞭なフェレットの網膜において、細胞死を促進するpro-apoptotic geneであるBimELと、Hrkの詳細な網膜内分布解析を行った。これまでの研究で、フェレット網膜内では黄斑部と網膜周辺部で視神経切断に抗して生き残る細胞の割合、生き残った細胞のうち視神経軸索を再生する細胞の割合に著しい差があること、また双方とも軸索再生する細胞は細胞体が大きいことが明らかになっている。まず、市販のBimELの抗体が、フェレット網膜で使用可能であることを確かめた。次に、その抗体を用いてフェレット網膜伸展標本を染色した。その結果、正常網膜では、黄斑部、周辺部でBimEL陽性細胞の数、細胞体直径の違いに明瞭な差は見られなかった。現在、視神経切断後網膜での染色を行っている。 我々が単離した網膜神経節細胞特異的モノクローン抗体C38の認識抗原分子C38の詳細な組織分布と、生理機能が明らかとなりつつある。NMDA等の細胞死刺激により、その局在がダイナミックに変化することが明らかになってきており、C38分子と細胞死との関連性に注目して研究を進めている。 一方、遺伝子産物の絶対量の定量化法の改良を進めた。リアルタイムRT-PCR法、及び比色法を原理とした市販のmRNA定量キットを用いて、ヒト癌由来の細胞株SW620とHelaにおける癌抑制遺伝子p53 mRNAの定量化を行った。この2つの方法による定量結果には、強い相関関係が認められた。この結果は、切片上の定量化データの検証を行う上で必要不可欠なデータである。さらに、私たちが行っている切片のin situ hybridization法は、計算上1細胞あたり1 copyのmRNAを検出する感度を備えていることも検証できた。
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