研究課題/領域番号 |
19592027
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
行徳 雄二 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (10420639)
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研究分担者 |
稲谷 大 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40335245)
谷原 秀信 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60217148)
筒井 順一郎 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (60264404)
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キーワード | 眼科学 / 生理活性因子 / ミッドカイン / ストレス / 神経・組織保護 / プロテオーム |
研究概要 |
1. 神経堤細胞分化に対するヘパリン結合性生理活性因子の影響 ヘパリン結合性生理活性因子の1つであるTGFβ2の欠損マウスでは、ヒトの発達緑内障に類似した発生異常を生じることが知られている。プロテオグリカンの1つであるヘパラン硫酸の神経堤細胞特異的ノックアウトマウスを作成したところ、隅角線維柱帯の奇形や角膜形成異常、口蓋裂、耳介奇形などTGFβ2欠損マウスと同様の発生異常を認めた。 ヘパラン硫酸の欠損マウスの眼組織では、TGFβ2の細胞内シグナル分子SMADのリン酸化が抑制されていることや、TGFβ2刺激による角膜組織でのコラーゲンの産生が著しく低下していることが確認された。また、ヘパラン硫酸の欠損した神経堤細胞を培養するとTGFβ2による反応が低下していた。さらに、TGFβ2とヘパラン硫酸との相互作用を低下させると、隅角形成異常と眼圧上昇を合併する発達緑内障マウスが生まれた。即ちヘパラン硫酸とTGFβ2の相互作用が神経堤細胞の分化、増殖に極めて重要であることが示された。 2. カルコンによる神経保護作用の解析 セリ科植物明日葉より抽出されたカルコンには神経グリア細胞に作用し、生体内神経保護因子の分泌を促すことが知られている。カルコンによる生体内生理活性因子を介した網膜神経保護作用の可能性につき実験を開始した。培養網膜ミュラー細胞にカルコンを作用させ反応する分子を解析、さらに幾つかの分子についてプロテオミクスの手法を用いて同定を試みた。発現が減少する分子としてコラーゲン、逆に増加を示す分子としてMoesin、tropomyosin、Tpi I、transgelinが同定された。
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