研究課題/領域番号 |
19592033
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
川崎 諭 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60347458)
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研究分担者 |
松田 彰 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00312348)
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キーワード | miRNA / エピジェネティクス / メチル化 / 機能的RNA / 角膜上皮細胞 / miR-21 / PI3K / Aktシグナル |
研究概要 |
今年度は昨年度にHCE-T細胞で圧倒的に発現量が多いことが判明したmiR-21についてゲノムコピー数が変化していないかを検討した。まずHCE-T細胞ゲノムを抽出し、市販のヒトゲノムDNAをリファレンスとしてarray-CGHにてゲノムコピー数の変動を調べた。結果としてmiR-21遺伝子が存在している17q23.1領域ではゲノムコピー数の増幅は生じていないことがわかり、HCE-T細胞におけるmiR-21遺伝子発現量が多いことについては内因性の何らかのメカニズムが関与しているのではないかと想定された。 またmiR-21の発現量を調節するシグナル経路についても昨年の検討をさらに拡大させて行なった。結果として昨年と同様miR-21はPI3K-Aktのシグナル経路で抑制されていることが明確となった。既報ではmiR-21はアポトーシスを阻害して細胞増殖を促進するとされており、PI3K-Akt経路は一般的に細胞生存・細胞増殖・オンコジェネシスに関連しているとされていることから、今回の我々の結果は既報と相反する。想定される可能性として、miR-21の機能は細胞種依存的であり、HCE-T細胞では既報のようなアポトーシス抑制・細胞増殖促進に関与していないのかも知れない。またmiR-21のアンチセンスRNAを用いてmiR-21発現を抑制させたが、HCE-T細胞の細胞増殖能に変化は見られなかった。miR-21のHCE-T細胞における機能については上述の抑制実験でも特に明瞭な変化を得られていないため、同定は困難であると考えられた。
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