研究課題/領域番号 |
19592038
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小沢 洋子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90265885)
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研究分担者 |
栗原 俊英 慶應義塾大学, 医学部, 嘱託(非常勤) (50365342)
今井 貴雄 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10383712)
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キーワード | 網膜 / 発生 / 再生 / 分化 / シグナル伝達 |
研究概要 |
【研究実績】正常の視細胞の分化過程を良好に再現すると報告される神経網膜の器官培養法(Tomita, et. al.1996)を用いたin vitroの系を用い、Notchやその抑制に働く可能性のあるNumb・Musashiなどの分子の遺伝子導入による強制発現やノックダウン、もしくは阻害剤を用いてその影響を解析した。神経網膜の器官培養を、転写因子Crxや最終分化マーカーであるロドプシンを指標とし、免疫染色、in situ hybridization、イムノブロット、リアルタイムPCRなどの手法を用いて解析した。その結果、Notchの抑制は明らかに視細胞への分化を促進した。Crxの発現は早期から一度に上昇し、最終的にロドプシンの発現は亢進していた。その他の視細胞分化に必要とされる分子の動きは現在確認中である。また、NumbやMusashiが網膜の発生・視細胞の分化において、どの分子レベルで影響するかは解析中である。 【研究の意義と重要性】網膜の再生医療にむけて、最近では組織幹細胞および、多能性幹細胞などから網膜細胞を誘導する研究が行われている。実用に向けてさらに研究を進めるには、増殖させた網膜前駆細胞を視細胞に分化誘導する方法の開発が必要である。そのためにまず、再生過程の手本となるべき発生段階での、視細胞分化に必要な条件を、分子レベルで解明する。申請者は、細胞増殖を促進するNotchシグナルが視細胞の分化を抑制するメカニズムを分子レベルで解析し、誘導法の開発に向けてさらにNotchシグナルの制御についても解析する。このことは効率よく網膜視細胞を誘導するために重要である。
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