我々は加齢黄斑変性症のモデルマウスを作出すべく、Clqtnf5遺伝子異常マウスを作成、解析し、加齢黄斑変性症の成因に関連する分子生物学的役割の解明を試みた。昨年度中にClqtnf5遺伝子異常マウス作成のためClqtnf5のcDNAをクローニングした。今回我々はPCRを用いたクローニング法を行った。我々はマウス眼球を摘出後、AGPC法を用いてRNAを抽出した。抽出したRNAからPoly(A)+RNAを精製し、これを用いてfirst strand cDNAを作成した。このfirst strand cDNAをテンプレートとして、MfrpおよびClqtnf5の全長cDNAをKOD-plus-DNA polymeraseで増幅した。サブクローニングにはpCR-Blunt II-TOPOベクター(invitrogen)を用いた。適切なサイズのインサートをもつプラスミドをミニプレップで確認後、精製し、DNAシークエンシングを行いcDNAに誤った塩基配列がないことを確認した。今年度はクローニングしたcDNAを制限酵素を用いて切り出し、得られたDNA断片をプローブとしてgenomic DNA Libraryのスクリーニングを行った。しかしターゲティングベクターとして使用するのに適当なgenomic DNAの断片を得ることができなかった。プローブの切り出しのために使用する制限酵素を変更して何種類かのプローブを作成しスクリーニングを行ったが、ターゲティングに必要と予定していたエクソンを含み、必要と考えられる領域をカバーする十分な長さをもった断片は得られなかった。Genomic Libraryが適当であったか他の遺伝子をプローブとしてgenomic Libraryの検討を行っており、適切でなかった場合は他社のgenomic libraryを利用して研究を継続する予定である。
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