研究課題/領域番号 |
19592044
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
堀 純子 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60251279)
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研究分担者 |
北原 由紀 日本医科大学, 医学部, 助教 (30360176)
王 明聡 日本医科大学, 医学部, ポストドクター (90445825)
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キーワード | 移植免疫 / 免疫抑制 / 制御性T細胞 / 角膜移植 / 拒絶反応 / ACAID / GITR / GITR-L / immune privilege |
研究概要 |
目的:眼組織移植後拒絶反応の自動制御における制御性T細胞(Treg)とGlucocorticoid-Induced TNF Receptor Ligand(GITRL)/GITRシグナル経路の役割を知ること。 方法:マウス正常眼と角膜移植眼におけるGITRLの発現と、眼内浸潤CD4+T細胞におけるGITRとFoxp3の発現を免疫蛍光法で解析した。アロ脾細胞前房接種後の前房関連免疫偏位(ACAID)誘導モデルと角膜アロ移植モデルに、GITRL抗体、GITR抗体、isotype抗体を腹腔内投与し、ACAID誘導と移植片生着を検討した。また、C57BL/6マウスの正常角膜を抗GITRL抗体または対称rat IgGで前処運した後、マウスの脾臓CD4陽性T細胞と共培養し、T細胞におけるFoxp3発現の変化と、角膜内皮細胞障害を解析した。 結果:GITRLは正常角膜内皮細胞と虹彩毛様体に恒性発現していた。In vivoでのGITRL抗体とGITR抗体の投与ははいずれもACAID誘導に影響しなかったが、移植角膜の生着を対照より有意に短縮させた。移植角膜内のGITR+CD4+T細胞は、対照の生着角膜内ではFoxp3陽性であったのに対し、GITRL抗体投与によりFoxp3陰性となった。In vitroでは、GITRL阻害角膜との共培養後と比較して、GITRL陽性角膜との共培養後に、T細胞のFoxp3発現は増強した。抗原特異的反応性T細胞と非特異的活性化T細胞のいずれによる角膜内皮細胞障害も、GITRL陽性角膜と比較してGITRL阻害角膜において有意に強かった。 結論)角膜に恒性発現するGITRLを介して眼局所でTregが誘導される。この局所誘導型のTregは活性化T細胞による角膜内皮細胞障害を抑制して前眼部の恒常性を保持し、移植片生着を維持する。
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