• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

肝細胞増殖因子トランスジェニックマウスを用いた発癌機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19592053
研究機関群馬大学

研究代表者

市川 武  群馬大学, 医学部, 医員 (60420105)

キーワード肝細胞増殖因子 / トランスジェニックマウス / 横紋筋肉腫
研究概要

肝細胞増殖因子トランスジェニックマウス(HGFtg)を癌抑制遺伝子であるp16Ink4aとp19Arfを同時にノックアウトしたマウスと交配して作成されたHGFの過剰発現を伴ったInk4a/Arfノックアウトマウス(ダブルマウス)(HGFtg+Ink4a/Arf-/-)は高率に横紋筋肉腫(Rhabdomyosarcoma:RMS)を発生することが知られている。我々はRMSの発生機序をさらに詳しく調べるため,HGFtgとp19Arfノックアウトマウス(HGFtg+p19-/-),HGFtgとp16Ink4aノックアウトマウス(HGFtg+p16-/-),HGFtgとp53ノックアウトマウス(HGFtg+p53-/-)の各々のダブルマウスを作成し繁殖させた。これまでの研究がp16Ink4aとp19Arfの両方の癌抑制遺伝子を同時に失活させていたのに対して,我々は今回の研究でp16Ink4aとp19Arfをそれぞれ単独でノックアウトした。これまでの研究ではp16Ink4aとp19Arfのどちらの遺伝子の失活がRMSの発生に重要なのか,あるいは片方の遺伝子のみの失活ではRMSの発癌には不十分で両方の遺伝子の失活が発癌に必要なのか不明であったが,今回の研究ではHGFtg+p19-/-マウスの35%にRMSの発生を認めたのに対して,HGFtg+p16-/-マウスでは5%にRMSの発生を認めたのみであった。またHGFtg+p53-/-マウスでは全例にRMS発生を認め(平均1.1ケ月),HGFtg+p53+/-マウスでも65%にRMS発生を認めたが,HGFtg+p19-/-マウスではその35%にRMS発生を認めた(平均2.5ケ月)ものの,HGFtg+p19+/-マウスでは6%にRMS発生を認めたのみであった。HGFtg+pl9-/-マウスとHGFtg+p16-/-マウスのRMS発隼率の違いはRMS発癌にはp9Arf/p53経路の不活性化が関与していることを示した。またHGFtg+p53+/-マウスとHGFtg+p19+/-マウスのRMS発生率の違いは,p19Arfとp53の横紋筋肉腫発癌に関する関与の違いを示唆し,シグナル伝達においてp53の上流に位置するp19Arfがp53に依存しない経路でも発癌に関係している可能性を示した

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ARF functions as a melanoma tumor suppressor by inducing p53-independent senescence2007

    • 著者名/発表者名
      Ichikawa T, Ha L, et. al.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA 104

      ページ: 10968-10973

    • 査読あり
  • [学会発表] Disruption of the Arf/p53 pathway promotes rhabdomyosarcoma in transgenic mice overexpressing hepatocyte growth factor/scatter factor2007

    • 著者名/発表者名
      市川 武
    • 学会等名
      Digestive Disease Week 2007
    • 発表場所
      ワシントンDC
    • 年月日
      2007-05-22

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi