研究概要 |
胞巣型横紋筋肉腫融合遺伝子に対するsiRNAの構造決定を行うべく、遺伝子構造の検討を行っていたところ、以下の論文が発表された。「Kikuchi K, et. al.: Effects of PAX3-FKHR on malignant phenotypes in alveolar rhabdomyosarcoma. Biochem Biophys Res Commun 365:568-574, 2008 (available online 20 Nov. 2007)」。本論文ではPAX3-FKHR融合遺伝子に対するRNA干渉を行うと細胞増殖抑制が得られるとされる。ただし、siRNA導入にはin vitro実験で多用されるlipofection法が用いられており、我々が使用を予定しているHVJ-envelope法ではない。In vivoでsiRNAを投与する際には、生体内での導入に有利なHVJ-envelope法が適切で、将来の臨床応用に際しても有用であると思われる。したがって、我々はHVJ-envelope法によるRNA干渉を行う方針とした。そこで、横紋筋肉腫細胞株に前述の論文で使用されたsiRNAの導入を行うべく、導入条件を検討している。また、もう一つのPAX7-FKHR融合遺伝子に対するRNA干渉を行うべく、遺伝子構造の検討を行っている。ただし、胞巣型横紋筋肉腫細胞株の中で、PAX7-FKHR融合遺伝子を発現している細胞株が得られていない。このため、種々の細胞株におけるPAX7-FKHR融合遺伝子発現を検討中である。なお、それぞれの融合遺伝子発現定量を行うために、real time RT-PCRの系を作成している。さらに、将来のin vivo実験に備えて、マウスに対するsiRNA投与実験を行っている。
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