研究概要 |
ネンブタールにてマウスに全身麻酔を施し,顕微鏡(Nikon SMZ800)下にMicrosurgical technlqueを用いて,以下の方法で小腸移植を行った.Donor:にC57BL/6(H-2^b)を,RecipientにBALB/c(H-2^b)用いた.腹部異所性移植とし,ドナーの上腸間膜動脈(大動脈パッチ),門脈を各々レシピエントの大動脈,下大静脈に10-0ナイロン糸(Prolene)にて端側に吻合した.小腸の断端の一部は,レシピエントの腸管に端側吻合し,他端はストマとして腹壁に挙上しておいた.連日,ストマの色調を観察するとともに,触診にて腹腔検索し,小腸グラフトの状態を確認した.ストマの色調が暗黒色となり,硬く触知する時に,拒絶と判定し,開腹にて確認した.開腹後は,グラフトを摘出し,組織学的に拒絶反応を判定した.同様にMHC class II不適合間モデル(Donor:C57BL/6^<BM12>,Recipient:C57BL/6,H-2^b)を用いて,慢性拒絶モデルとなり得るかを検討中である. またマウスモデルを用いて,種々の検討を行った結果,小腸および肝虚血再灌流障害において,血管新生因子VEGFやPPARγなどがその成因として,有意な関与をしており,その制御により,障害抑制効果や治療効果が得られることを明らかとした.
|