研究課題/領域番号 |
19592072
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森本 尚樹 京都大学, 医学研究科, 助教 (40378641)
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研究分担者 |
鈴木 茂彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (30187728)
野瀬 謙介 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80379057)
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キーワード | 培養真皮 / 自己血清 / 臨床試験 / 複合型培養皮膚 |
研究概要 |
我々は、コラーゲンスポンジとシリコーン膜からなる二層性人工真皮(ペルナック)を開発、臨床使用してきた。この二層性人工真皮を皮膚全層欠損創に貼付すると、これを足場として皮膚線維芽線維芽細胞、毛細血管が侵入し、数週間で真皮様組織が形成される。III度熱傷、外傷性皮膚欠損、腫瘍や母斑切除後の皮膚欠損などすでに多くの症例に臨床応用され、形成外科領域での標準治療となっている。この二層性人工真皮を細胞培養の足場として用い、真皮の主要構成細胞である線維芽細芽細胞と皮膚表皮細胞を播種培養した複合型培養皮膚の作製方法を確立し、免疫不全動物への移植にも成功している。次の段階として臨床応用を目指して本研究を行った。臨床試験に使用するためには厚生労働省医薬安全局長通知医薬発第1314号、ヒト由来細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針に準じた作製方法を行い、安全性を確認する必要がある。本研究において、動物由来成分を用いない患者自己血清を用いた自家線維芽細胞および培養真皮の培養方法を確立した。また、本培養法を用いて作製した自家培養真皮を免疫不全マウス皮下に6ヶ月間埋入したが、腫瘍形成など異常な増殖は認められなかった。本培養法を用いて作製した自家培養真皮を使用する、臨床試験「自家培養真皮を用いた糖尿病性潰瘍に対する創床形成療法の安全性と臨床効果の検討」の概要書、試験計画書を作成し、京都大学医の倫理委員会の許可を得て、本年度より開始した。今後2年間にわたって自家培養真皮の安全性と有効性を評価する予定である
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