研究概要 |
ヒトの正常脂肪組織を下腹部より採取し,コラゲナーゼ処理によりASCsを調整し、サブコンフルエントに達するまで培養した。 ASCsを骨分化誘導培地で7,14日間培養したのち,アルカリフォスファターゼ活性を,Alkaline Phophatase Detection Kitを用いて測定した。ASCsは96wellプレートに10^4/穴ずつ播種し,Ex:340 nm Em:450 nmで蛍光を測定した。培養期間が長くなるにしたがって,アルカリフォスファターゼ活性が上昇するのを確認した。 骨分化誘導培地で培養した3次元培養骨を、走査電子顕微鏡で観察した。培養14日目で、atelocollagen honeycomb shaped scaffoldの穴にASCsが入り込み、横断面においてもscaffoldの内部まで増殖している様子が観察された。以上より、コラーゲンスポンジでの3次元培養においてASCsは骨細胞に分化することを確認できた。 次いで2週間培養したコラーゲンスポンジをヌードマウス皮下へ移植し,8週間後に取り出し,その組織切片をHE染色Von Kossa染色して観察すると,新生骨形成を認めた。 コラーゲンスポンジは,ASCsの骨分化におけるscaffoldとして有用であり、この様式で、ヒト正常脂肪組織から得られたASCsを応用し、3次元立体の骨組織再生への基本的3次元骨の誘導経路が確認できた。
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