研究概要 |
本研究の目的は,有機リン剤によるChE阻害で生じた中枢神経系機能失調に対する各種中毒治療薬の失調回復作用の機序解析と有効性評価である. 海馬スライス標本のCA1ニューロンおよび延髄スライス標本の呼吸ニューロンの機能に対するparaoxon(有機リン系ChE阻害薬)の影響を電気生理学的に明らかにし,これをChE阻害薬中毒の神経学的モデルとする.次にその影響に対する各種治療・予防薬(atropine:ムスカリン型ACh受容体遮断薬,pralidoxime:オキシム剤)の中毒作用抑制効果を検証し,治療作用機序の詳細を明らかにする.特に有機リン系ChE阻害薬投与と治療薬投与の時間的関係と治療薬の中毒作用抑制効果の関係を明らかにし,それぞれの治療薬あるいは予防薬としての効果および効果に及ぼす時間的要因を評価する.
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