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2007 年度 実績報告書

フォンヴィレブランド因子切断酵素による血栓形成制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19592095
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

西尾 健治  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60254489)

研究分担者 福島 英賢  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90347568)
キーワードVWF / ADAMTS13
研究概要

最近同定されたVWF切断酵素(ADAMTS13)はVWFのA2ドメインを切断することにより、VWFサプユニットの重合数を規定しVWFの機能を調整しており、ADAMTS13がVWFに作用しないと重合数の多いVWFが多くなり、血小板粘着能が増加し血小板血栓が全身にできる血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を生じる。またADAMTS13がVWFに作用すると動脈に相当する高ずり応力下での血小板粘着が低下すると報告されている。そこで、ADAMTS13を新しい血小板粘着抑制剤ととらえ、in vitroにおいて抗血栓性を検証し、そのメカニズムも明らかにしたい。
まずはじめに、フロー下での血小板血栓形成に対する、ADAMTS13活性を抑える抗ADAMTS13抗体の効果を観察したところ、血栓は巨大化し、ADAMTS13が血栓の増大を抑制していることが推察された。続いて、血栓をADAMTS13がVWFを切断した断端にのみ反応する抗VWF抗体で染色したところ、正常全血を用いてフロー下でできた血小板血栓はその表面が良く染まり、まさに増大中の血栓形成の場であるその表面でADAMTS13が働いていることが証明された。またその染色の程度はずり速度依存性で、ずり速度が速くなれば速くなるほど良く染まり、すなわちずり速度が速くなればなるほど、ADAMTS13が働いてVWFを切断することが示唆された。ずり速度は血栓が大きくなればなるほど上昇し、まさに血栓が閉塞しようとする瞬間にはかなりのずり速度になると考えられるので、ADAMTS13は止血によりできた血栓が血管内空に進展し血管を閉塞するのを抑制しているものと考えられた。
続いて、リコンビナントADAMTS13存在下に血小板血栓形成を観察したところ、血栓形成は抑制され、リコンビナントADAMTS13が血栓抑制剤として使用可能であることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Functional imaging of shear-dependent activity of ADAMTS13 in regulating mural thrombus growth under whole blood flow conditions2008

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Shida
    • 雑誌名

      Blood 111

      ページ: 1295-1298

    • 査読あり
  • [学会発表] 血流下でのADAMTS13による壁血栓成長制御メカニズムーずり速度との機能連関解析2007

    • 著者名/発表者名
      志田 泰明
    • 学会等名
      第30回日本血栓止血学会学術集会
    • 発表場所
      志摩
    • 年月日
      2007-11-16
  • [学会発表] 血流影響下ADAMTS13活性発現メカニズム2007

    • 著者名/発表者名
      西尾 健治
    • 学会等名
      第35回日本救急医学会総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2007-10-17
  • [学会発表] 血流影響下ADAMTS13活性発現メカニズム2007

    • 著者名/発表者名
      志田 泰明
    • 学会等名
      第69回日血総会・第49回臨血総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-10-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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