【目的】呼気ガス分析による無侵襲・高分解能・血中一酸化炭素ヘモグロビン(COHb)濃度連続測定法(EGA法)を開発し循環血液量測定等への応用を報告してきた。今回少量COHb希釈法にEGA法を応用した極低侵襲心拍出量測定法を開発し、その正確性を心拍出量測定のGolden Standardである肺動脈カテーテルを用いた肺動脈カテーテル法(PAC法)と比較し検証した。 【対象と方法】肺動脈カテーテルを留置したICU入室患者20名(前年度と合計)について、各3回心拍出量をEGA法およびおPAC法(3回反復測定)にて同時測定し、その一致度をBland-Altman法にて解析した。 【結果】EGA法とTD法とのlimit of agreement (差のmean±2SD)は-0.96、+0.30L/minであった。PAC法におけるcoefficient of repeatability (平均との差の2SD)は±0.94L/minであった。 【考察】心拍出量測定値におけるEGA法とPAC法の差と、PAC法における測定値のばらつきを比較すると、EGA法による心拍出量測定の正確性はPAC法と同等以上であると結論される。EGA法は侵襲的手技を必要とせず、心拍出量測定におけるPAC法のより低侵襲な代替となることが期待される。
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