研究課題/領域番号 |
19592098
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
佐藤 和恵 昭和大学, 医学部, 客員教授 (90053941)
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研究分担者 |
有賀 徹 昭和大学, 医学部, 教授 (40266086)
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
土肥 謙二 昭和大学, 医学部, 講師 (20301509)
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キーワード | 酸化ストレス / 脳障害 / 電子スピン共鳴 / 抗酸化物質 / フリーラジカル |
研究概要 |
救急脳障害患者の生体資料、特に血液について既にex vivo ESR法を用いて、脳障害疾患の種類と重症度との相関とアルコキシラジカルの強度と重症度とが相関することを報告している。今回は今まで使用していたトラップ剤のDMPOに加えて、新規に開発されたスーパーオキシドとヒドロキシラジカルを同時に測定可能なトラップ剤、CYPMPOを使用して測定する。また以前は使用していなかった患者の血液(血清または血漿)の酸化ストレス度及び抗酸化能をFRAS4(ウイスマー社)を使用して測定する。また脳障害のモデル実験ラットを作成し、同様な測定および組織を用いて、形態解析や組織解析を行うことにより、ラジカル産生を組織学的にも捉えることを目的に行った。 救命救急センターに搬送される脳障害患者の血液については、以前と同様に採取、測定を行い、従来使用していたスピントラップ剤DMPOでは、アルコキシラジカルが産生していることを報告してきたが、更に例数が増えると共に、我々が行ってきた測定の確証が構築できてきた。今回、新規トラップ剤CYPMPOを使用しての測定ではラジカルの捕捉はできたが、ラジカラジカル種の同定が完全にできていない。しかしながら、FRAS4を使用しての血漿の酸化ストレス度及び抗酸化能測定においては、両者が逆の相関をすることが観察された。救急脳障害患者では、血液以外の情報が得られ難いが、ラットでは各組織内でのフリーラジカル測定も可能であり、各組織内の酸化ストレス度や抗酸化能の測定も行えるので、更なる情報が得られると考え、モデルラットでのラジカル産生、及び消去について、実験を続行中である。
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