研究概要 |
本年度は4つの実験を計画し、以下の結果を得た。[1]神経堤由来細胞から象牙芽細胞の分化誘導我々は歯髄の神経堤由来細胞から象牙芽細胞を誘導する系を既に確立したが、未分化神経堤細胞を用いた象牙芽細胞への分化誘導は現在、条件検討中である。また、我々は象牙芽細胞特異的に遺伝子発現ができるDspp-LacZマウスを樹立しており(BBRC,Yamazaki,1999)、P0-cre/YFPマウスとDspp-LacZマウスを交配し、YFP陽性細胞からLacZ陽性の象牙芽細胞を分化誘導する系を検討中である。[2]ES細胞から象牙芽細胞の分化誘導昨年度我々は、神経堤由来細胞を蛍光標識できるES細胞株を樹立した。この細胞株を用いて、培養9日目の胚性幹細胞から骨や脂肪等の間葉系への分化能を持つ神経堤由来細胞を単離する系を確立した。現在、これらの神経堤由来細胞が象牙芽細胞への分化能を持つかを検討中である。[3]象牙芽細胞を標識できる胚性幹細胞株の樹立象牙芽細胞の分化誘導の有無を視覚的に検出する系を確立する目的で、Dsppの遺伝子座にレポーター遺伝子GFP遺伝子を導入したES細胞株を作製中である。[4]神経堤由来細胞の移植実験ES細胞から誘導された神経堤細胞の生体内での分化能を確認するために、誘導した神経堤由来細胞を免疫不全マウスに移植することを計画した。神経堤由来細胞を免疫不全マウスの腎皮膜下に移植する系を確立し、分化能を検討中である。
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