研究課題/領域番号 |
19592115
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三宅 洋一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80136093)
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研究分担者 |
弘田 克彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (60199130)
根本 謙 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10218274)
小野 恒子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40035514)
鹿山 鎭男 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50432761)
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キーワード | 遺伝子 / 感染症 / 抗生物質 / 細菌 / 歯学 |
研究概要 |
本研究では、バイオフィルム形成菌のモデルとしてよく研究されている緑膿菌を用いた。ps1クラスターがバイオフィルム形成する過程において近年、cyclic-di-GMPと呼ばれるセカンドメッセンジャーの関写が明らかになってきた。cyclic-di-GMPとps1の関与を探索するにあたり、cyclic-di-GMPの産生に関与するwsp領域の検討を行うことにした。緑膿菌PAO1株をLB培地にて14時間培養した菌液を希釈後、96穴プレートに播種して30℃にて10時間培養し、1%クリスタルバイオレットにて染色して数回洗浄し、吸光度を測定することによりバイオフィルム形成能を測定した。また、Vogel-Bonner最小培地にてコロニー性状を観察した。次に、pMMB67HEのマルチクローニングサイトにwspF ORFを含む領域を挿入したものをPAO1株に導入することにより、表現型にもたらす影響にっいて検討した。親株に聡wspF遺伝子を導入することにより、Vogel-Bonner最小培地にて観察されるコロニーがムコイド状に変化した。これはcyclic-di-GMPの細胞内濃度低下によるものであると推察された。また、親株ではバイオフィルムを形成する以前の物理的な付着状態の段階でカルバペネム系抗菌薬のビアペネムに対して抗菌薬抵抗性が上昇するが、wspF遺伝子をプラスミドにて導入した株では抗菌薬抵抗性の著しい上昇はみられなかった。これらの結果より、緑膿菌が付着した際の抗菌薬抵抗性の上昇には、cyclic-di-GMPが関与することが推察された。今後の高齢化社会では、バイオフィルム感染症はますます増加することが考えられるが、今回の研究成果は細菌の抗菌薬抵抗性の本質に迫るための重要な一歩であると考えられる。
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