研究課題
基盤研究(C)
本研究では、バイオフィルム形成のモデルとしてよく研究されている緑膿菌を用いた。pslクラスターがバイオフィルム形成する過程において近年、cyclie-di-GMP(c-di-GMP)と呼ばれるセカンドメッセンジャーの関与が明らかになってきた。c-di-GMPとバイオフィルム形成の関与を探索するにあたり、c-di-GMPの産生に関与するWsp領域の検討を行うことにした。pMMB67HEのマルチクローニングサイトにwspF ORFを含む領域を挿入したものをPAOl株に導入することにより、表現型にもたらす影響について検討した。親株にwspF遺伝子を導入することにより、Vogel-Bonner最小培地にて観察されるコロニーがムコイド状に変化した。これは細胞内c-di-GMP量の減少によるものであると推察された。また、親株ではバイオフィルムを形成する以前の物理的な付着状態の段階でカルバペネム系抗菌薬のピアペネムに対して抗菌薬抵抗性が上昇するが、wspF遺伝子をプラスミドにて導入した株では付着による抗菌薬抵抗性の著しい上昇はみられなかった。これらの結果より、付着菌の抗菌薬抵抗性の上昇には、c-di-GMPが関与することが推察された。
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四国歯誌 21(2)
ページ: 421-422