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2008 年度 実績報告書

骨吸収制御を担う新規膜表面分子複合体の分子免疫学的解析と形態学的動態解析

研究課題

研究課題/領域番号 19592116
研究機関九州大学

研究代表者

久木田 敏夫  九州大学, 歯学研究院, 教授 (70150464)

研究分担者 久木田 明子  佐賀大学, 医学部, 准教授 (30153266)
キーワード骨破壊 / 破骨細胞 / モノクローナル抗体 / 活性化 / ガレクチン
研究概要

破骨細胞は造血幹細胞に由来する骨吸収細胞であるが、多核細胞として形成された後、更に骨芽細胞や骨基質から提供される刺激を受け、骨吸収機能に必須の形態学的超構造であるruffled border(刷子縁)が形成され(しばしば「活性化」という言葉で表現される)、破骨細胞の活発な骨吸収が始まる。破骨細胞分化因子RANKLとその受容体であるRANKの発見により、分化シグナルに関する知見は急速に集積されつつあるが大規模な形態学的変化を伴う破骨細胞の「活性化」とその制御機構に関しては不明の点が多い。本研究では、破骨細胞の活性化に伴う特異的膜タンパク質の同定と破骨細胞の機能発現に伴う形態学的な動態解析を行い破骨細胞活性化の制御機構の一端を解明することを目的とする。破骨細胞を認識するモノクローナル抗体の1つを用いた免疫アフィニティークロマトグラフィーにより抗原の精製を試みた。TFAにより溶出後SDS電気泳動により分離し、銀染色を行った。複数のバンドが得られたが、強染するバンドのみを切り出した後、通法によりトリプシン消化によりペプチド断片を得た。LC-MASSを用いた質量分析を行った結果、候補蛋白質の1つとしてガレクチン3が検出された。ガレクチン3が抗原そのものであるのか、あるいは抗原に会合した分子であるのかに関しては特定できず、更なる研究が必要である。ところで、ガレクチン3はMac2抗原として破骨細胞が発現することが報告されているが、その機能は分かっていない。特異的siRNAにより遺伝子発現阻止を行い分化における機能を解析したが破骨細胞分化への関与は認められなかった。リコンビナントガレクチン3をRANKLに依存した破骨細胞分化系に添加したところ、破骨細胞の形成が顕著に阻害された。アジュバント関節炎ラットの系でも関節腔にガレクチン3を投与すると破骨細胞の形成が抑制され骨吸収が軽減されることがわかった。本研究は、ガレクチン3が破骨細胞の活性化を制御する重要な制御因子である可能性を示唆するものである。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Ganoderic acid DM : anti-androgenic osteoclastogenesis inhibitor2009

    • 著者名/発表者名
      Liu J., et al.
    • 雑誌名

      Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 8

      ページ: 2154-2157

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Platelet-rich plasma suppresses osteoclastogenesis by promoting the secretion of osteoprotegerin2009

    • 著者名/発表者名
      Ogino Y., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Periodontal Research 44

      ページ: 217-224

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A possible suppressive role of galectin-3 in up-regulated osteoclastogenesis accompanying adjuvant-induced arthritis in rats2009

    • 著者名/発表者名
      Li Y-J., et al.
    • 雑誌名

      Laboratory Investigation 89

      ページ: 26-37

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of osteoclastogenesis by ganoderic acid DM isolated from Ganoderma lucidum2009

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto I., et al.
    • 雑誌名

      European Journal of Pharmacology 602

      ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The inhibitory effect of sweet potato extracts on formation and differentiation of osteoclasts2008

    • 著者名/発表者名
      Tang Q-Y., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Modern Stomatology 22

      ページ: 44-47

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adiponectin inhibits induction of TNF-□/RANKL-stimulated NFATc1 via the AMPK signaling2008

    • 著者名/発表者名
      Yamacuchi N., et al.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 582

      ページ: 451-456

    • 査読あり
  • [学会発表] アデノシンは葉酸拮抗剤による破骨細胞形成阻害を骨芽細胞を介して解除する2008

    • 著者名/発表者名
      寺町順平, 他
    • 学会等名
      第26回 日本骨代謝学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2008-10-30
  • [学会発表] アデノシンは葉酸拮抗剤による破骨細胞形成阻害を解除する2008

    • 著者名/発表者名
      寺町順平, 他
    • 学会等名
      第50回 歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-09-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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